「ELFバケット大幅値上げ」に思うこと
2008年 02月 17日
さて、この流通の核となるバケットがこの1月より30%の値上げとなりました。全農・JAを通じて「使用料」を支払っていますが、いままでバケット+上枠で150円の末端価格であったものが、試算では最低でも43円ほど値上げになるとのことです。200円近くになります。
「使用料」について説明しなければなりません。バケットは、花を入れた状態で生産者から市場へ、そして生花店に流通します。そして生花店からは市場に戻され、全国に何箇所かあるセンターで洗浄・チェックされた後に、ふたたび生産者の元に納品されます。このように繰り返し使用されることが前提であり、バケットはシステム全体の所有物であって、私たちはそれを一時的にレンタル使用しているということです。ただ、このレンタル料を負担しているのは、私たち生産者のみであって、生花店にはバケットを返却するという義務があるだけで特に費用負担はありません。
さて、今回の値上げについて、バケット製造や洗浄などの業務を一手におこなっている兼弥産業さんは、原材料費の高騰、洗浄や流通にかかわるコスト増などを理由として挙げられています。
これほどの値上げは本当に不可避なのでしょうか? まとまりませんが、私なりに考えたことを列記したいと思います。
(1) バケットの流通コストを大きく上げている原因のひとつに、生花店や流通の末端の方がバケットを返却せずに、そのまま店舗で使用したり、貯めこんでしまってなかなか市場に戻ってこないということがあるそうです。そもそもバケットの回収をシステムとしてもっていない地方市場もあるとか。リユースされないのなら、製造コストがそのまま一回の使用料に跳ね返らざるを得ません。
このシステムの見本となったオランダでは、バケットの使用料は生産者と生花店が応分に負担しているとのことです。生花店は、市場から花の入ったバケットをお店に持ち帰るさいに、一定のデポジットを払い、バケットを再び市場に返却する際に、またデポジットを受け取る。こんな仕組みがなければ、返しませんよね...。
生花店が一時的にデポジットを支払う仕組みは最低限、導入するべきです。
(2) 昨年、兼弥産業の営業の方とお話しする機会がありました。「バケットは現在、何回くらいリユースされているのか?」との私の問いに、「統計はないが、3回くらいではないか」との答えでした。10回くらいは少なくとも回転しているのではないかと思っていましたので、ちょっとびっくりしました。3回くらい流通すると壊れてしまうんですね。これは、生花店や卸さんなどが陳列用に利用したりと、本来想定される以外の場面で使用されてしまうせいもあるかもしれません。
強度を高めるなど、リユース回数を根本的に高める努力をするべきです。
(3) まあ、これは言っても仕方がないかもしれませんが...。競争のないところに、コスト削減の努力が生ずるわけがありません。
これだけ大きなシステムになっているわけですから、一社独占の体制は改めるべきです。
燃料をはじめ、肥料や流通資材など、値上がりしていないものはないというくらいに、すべての生産費が高騰を始めています。生産の場面におけるコストの増大は、市場での卸売価格の上昇につながります。生産者のみならず、花屋さんにも是非考えて欲しい課題だと思います。
★付記:hananikkiの掲示板で、この問題に関して議論を呼びかけています。皆さんのご意見を切に希望します。★
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昨日、偶然にもスーパーの中にあるお花屋さんを覗くと、
そこには、ELFにお花を入れて陳列しているではありませんか!
それってありなの?・・・と思いながら帰って来ました。
私のところでは、ELFは導入していませんので、安易なことは言えませんが、
ELFの負担が生産者のみに課せられるというのは如何なものでしょうか?
全て回収されるのなら何も言うことはありませんが、
そうでないのが実情のようですし・・・。やはり見直すべきだと思いますが・・・。
パッキング屋さんからスーパー等へ流通する別の色の専用ELFバケットもありますので、それなら全然問題ないのですが、生産者が利用している黒色のものであれば問題です。
バケットと並行して段ボール箱の利用もまだまだ多いのですが、今年7%の値上げになりました。今までも「茶色の箱」にしてコスト削減しようという意見も出ていたのですが、「10円くらいしか下がらないのなら...」との部会役員さんも多く茶箱の導入は出来ませんでした。今年の役員会ではさすがに否定的な意見も出ず、茶箱に変更することに決まりました。
燃料や原材料費の値上げにかかわらず、コストダウンは追究していくべきだと思いますが、そろそろ生活費を削る努力もしていかなければならないのではないかと思うと、子育て世代としては不安が募ります。
花の資材費や農薬などかかるので、そっちに回すために私生活では無理やり節約してるところが多いです。子供たちもいないので大人だけなら菜っ葉だけでもいいけど、成長期の子供さんがいるのであれば、大変ですよね。
保冷施設もしっかりしたものができるということで、ますますバケットに力を入れていかなければと思っていた矢先で、何だか冷や水を浴びせかけられたような気分です。「回収率がだんだん良くなってきているので、バケツ代も安くなっていくかもしれない」と聞いてしましたので、「???」ですね。FAJをはじめとする市場の皆さんはどのようにお考えなのでしょう...。
今回の値上げの話、ビックリです。
エルフバケットについての不満は生産者からは特にコストの面で多く聞かれますが、お花屋さんにおいては、不満がない、むしろ、無料サービスじゃんくらいのかんじさえします。好きなようにバケツで販売して、使い終わったら市場へ放置です。回収もスムーズとは言えずに、けっこう市場にたくさん溜まっている状態です。
業者は生花の新鮮輸送、コスト削減による生産者の幸せを考えているとは思えず、自社の利益を最優先に考えているように思えます。
JELFA、もうちょっときちんとやってくれよー、っていう感じですね。しわ寄せがすべて生産者にのしかかるのは理不尽至極です。
100円ショップで売っているバケツで出荷していいですかね???
以前、園芸で使われてたフラコン(?)でしたか、かなりしっかりとした作りのケースがありましたよね。 伝票にフラコン貸出料@250円か@300円みたいのが載っていてフラコン入りの商品を購入すると取られていた記憶があります。自分は出来るだけフラコン入りの商品は買わないようにするか買ってしまった場合はフラコンから商品を出し、当日中に返却していました。いつのまにか無くなっていましたが今回のELFのお話もELF以前でケース3000円だった商品がELFを導入することにより4000円・5000円となれば不満は無いはずですよね。もう一度、ELFの利点と利権を調べてみる必要はありそうですね。
ELF以外のシステム(茶色のバケットの..)は、お花屋さんからも100円のデポジットをいただくような仕組みになっていると聞いたことがあります。ELFの利点ということについて言えば、遠方の大手市場さんのなかには「ダンボールは一切いらないから、全部バケットで荷物をくれ」と言っているところもあるくらい、鮮度保持能力は大きいようです。販売単価も上がっています。もちろん単価については市場の胸先三寸のようなところもありますので、お花屋さんがそのように評価してくださっているのかわかりませんが...。「利権」はいろいろあるかもしれませんね。あまり大きな声で議論できないかもしれませんが。